サファイア・マン《緻密な男編》〔70〕なぜ、結婚が危険を孕むのか、そして結婚が危機に見舞われるのか?それがよく観察出来るのが映画、追憶です。この映画はキャロルの高校時代に封切ですが現代にも通じる何かを提示しています。お互いの主義主張が余すところなく出てきます。女が言ってはいけないこと、言ってはいけない場面、そういうのを細かくチェックしてみて、枚挙にいとまない言葉の宝庫である映画な事に改めて感動するのです。心底好きなのに彼女を見切らざるをえない男の哀しみが見事に描かれそれは、君はひたむきすぎるんだ・・というロバート・レッドフォードの言葉に封印されます。僕だけを観て欲しいってのは全男の永遠願望。しかしそうはいかないのが理知派の女性、永遠に反逆児の女性です。極めるものがある、極めたいものが山積する彼女は彼の試しにとうとう自らボロを出してしまう・・・彼女は仕事が生き甲斐、それを除けてしまえばただの嫉妬深いワラ人形。そのおぞましい現実でもいつかは彼女を快挙に導くのです。よく鑑みるいい機会です。結婚がもしもプラス効果を弾き出すのなら誰もがこぞって結婚するでしょう。そこを端的に解き明かすのが映画や小説の物語なのです。