サファイア・マン《かけがいのない男編》〔141〕ショートケーキを頬張るキャロルはまだ、今より体重は十キロほど少なくて、思えば新婚ほやほや。彼女にも隠すことなど出来ず、再婚の身の上を話します。すると彼女はそうやって前夫の子供たちを連れて結婚出来たことに驚くのです。しかも旦那様は初婚なんでしょ?ええ、そうねえ。キャロルの返事の仕方に問題が隠れているかのように軽くイエローカードを配るのです。辛いときに誰もがもっといい人が見つかればいいのに・・・って思うけど、中々みんながみんな、そうはならない。そこを思うと運がいいですよ~とまだ、旦那のことも知らないはずなのにキャロルに訂正を求めているようなのです。こうしてこんな素敵なドアがブルー色のマンションで子供達も一緒に結婚生活をスタートさせたことは相当強運の持ち主だと私思うんです!!って。それはどうかしら??心の中でくすぶっていたものを表に出してしまう方が、お里が知れるように思えて制御します。華麗な容姿でついつい派手な人かもとそう思っていた自分の偏見をすべて翻されて、彼女になら自分の悩みを打ち明けてもいいんじゃないか・・・と心に決めるのです。こんなおしゃれなケーキも久し振りで、彼女はうちの貧乏さやよんどころない事情に気が付き始めているようでした。