サファイア・マン《緻密な男編》〔46〕ちょっとあんた、来て御覧なさいな!?とナンバースリーの女性に呼ばれます。トイレのドレッサーの鏡の前。浅黄さんが言うには、背中の開いたワンピースを着る立場にはないあ・ゆ・みだと言うのです。とんでもないことを言い出すものだ!!とキャロルも猛攻します。なぜ、ホワイトのワンピースを着てはいけないのですか?あんたの背中、自分で鏡で写してよ~く観てご覧よ?毛深いし、ニキビの跡のような吹き出物の痕跡・・・。こんな背中出して恥ずかしくないの?キャロルは自分の背中をまじまじと見ます。確かに毛深い・・・しかし店内は暗いからいいのでは?とこころの中で疑問符を付けます。いちいち言ってくるのにはジェラシーがあるのでは?と。このホワイトワンピースにしてからは、老舗の社長たちが可愛いを連呼していたし、キャロルは耳元にこれも白いハートの形のイヤリングを付けての愛想でした。あんたの服装やマナー、そしてその安っぽいサンダル、すべてがこの店の店風を乱し、最低に貶めているのよ?そこに気が付いてないんでしょう?すいません、私の背中が悪いんですね?でも、背中を毛剃るには誰に頼めばいいのですか?自分では致しかねますよね?あんた馬鹿じゃない?浅黄さんは言いたい事だけ言ってしまうとトイレから居なくなるのです。