ルビー・ウーマン《黎明編》〔97〕とうとう容子が今月最後のマッチを擦りました。いつなのかね?今朝です。それは?あのオーバーオールの男性が買い物に来たのだが、それより伝えたいことがあったらしくその男性の母親が亡くなった、それを容子に伝えにきたのです・・・いまいちわからんな、容子が一コンビニに在籍する一スタッフ、それなのに母親の死を伝えに?俺にはわかるような気がするんです、それこそがテレパ中のテレパリングなのでは?と。テレパリングとは?自分の欠けたこころの部位をしっかりフォローする者同士やり取りで男とか女の枠組みを超えて実際に起こる。その男性はキャロルに伝えたい気持ちを最初は押し殺していた、それを容子が導き出したのだな?頭を坊主にしていたから容子はとっさに尋ねたのです、何かあったのですか?と。そこまで言われれば幾らなんでも自分はやはり、母の死を伝えなければと思う。この構図は?いわゆる友達の構図〔トモコウ〕のようでありながら、もっと深いものが奥底にあるんです、例えば俳句を詠む者同士には特別の主観や作品枠がお互いの間に築かれるでしょう?それに酷似している。わかったぞ、容子の芸術を開花させる為には、このテレパリングの実績がそもそも必要だったという事だな?同じ海馬を持つニンゲン同士の輪が強大になっていくのはもはや時間の問題ですね~ミュータント・レディミアム!!