デニム・ブルー・サファイアママン4の8

 意外性に満ちた話しですが、容子は優柔不断な一面も有していたのです。そこはどこか合致しない一面でした。落ち着きがない、常に動いてないと気が済まないもう片方に、でんと構えた安全志向。ここを掻い摘んで説明は難しい。わかっているのは体裁をとても気にするタイプでしかも人とじゃれ合うことを愛していたのです。みんなの輪の中に入っていきおしゃべりをする機会をいつも狙っています。しかし母親である私の制止が常に懸かっているのです。そういう無慈悲な待遇をいつか・・・冷遇にも等しいと、読み取って、自分に言い聞かせていたような節があった。ざっくばらんで平均的な子供がわんさかいる、教室への憧れ・・・そしてフレンドシップ。いつしか、どんどん時間だけが流れていって、アパート内も派閥が出来て、仲の良いグループ同士はそこで集まっていました。集会所内でおやべりしたり、近況報告し合ったりしていたのです。しかし私は輪の中へ入っていけないのです。マイノリティな性質を持っていた・・・そう分析してもいいでしょう。根は軍人のように、いかり肩。これには錨と怒りが懸かっています。女子に生まれながら私にも男性の顕著な気質があったこと、むやみやたらに井戸端会議なんか、出来るもんか?っていう不可思議な風情です。容子もやがて、自分が男子型であることを薄々感じ取っていくのです。しかし彼女にはきっと人懐こさがあって、そこが私と異なる点だったのです。