サファイア・マン《緻密な男編》〔30〕結婚っていうものが完璧であれば人生のなんたるかもわかり易いけど、男って大事なことを隠す、そこが問題を残してしまうんだと思うんです。こちらの誠意を逆とりしたりともう弁解したり話すことさえ馬鹿馬鹿しくなって一件落着しますが、キャロルが拘るのはそういうことではないんです。そんなにスキならその人と所帯を持てば良かったってハナシ。それなら辻褄は合うでしょう。最初のケッコンのときにも、相手は一ヶ月前に違う女性と婚姻届を出していたのに、キャロルには内緒にしていたんです。父が興信所で調べてきて、びっくりしてでんぐり返りました。彼は慌ててその女性と離婚しましたが、入籍日がキャロルの誕生日。とてもショックで男と言う生き物に付いて恐ろしくなっていったというのも事実です。えりまきトカゲは自分のエリマキをとっかえひっかえしますか?男が幸せな結婚を踏み出すためにまずしなければならないこと、こころの善良性に関して踏み込んで考えないといけません。これは四つ目になりますが、自分のパートナーを幸せにしたいのなら、絶対にここは確保してください。隠し事があったらいけません。えりまきとかげのように、ホンモノのエリマキなら堂々と広げるべきで、性悪説を最初から自認するようではケッコンは難しいでしょう。キャロルは常に性善説のもとに立っている。人よりゴージャスでジャスティスなのは意外にここが作用しているし、悪人も善人に入れ替わるんです。悪くなりたい人より、良くなりたい人を増やせれば人類はおのずと繁栄するでしょう。