サファイア・マン《面白い男編》〔17〕弟の経験は子供を設けず、結婚ももちろんしなかった。姉のキャロルは結婚二回、子供五人、そしてそのふたりの社会性がこれから連動していくときに最も重要なことは、キャロルがやはり譲歩をしないといけない事でしょう。弟を立てるというよりも彼をモデルにした責任の所在です。このルビー・ウーマンは自分のことですからまだしもサファイア・マンは弟がメイン。彼の許諾はもらっていますが、それでも気遣いが必要だと留意するのは、彼がこれから子供を授からないとは限らない。年をとって結ばれるカップルも多いからです。そこを踏まえると、この弟のために素晴らしい伴侶が現れる為にも、キャロルはこれからの自分の人生をチェンジしていこうとそうハッパを掛けるのです。誰もがぬくぬくと生きて来たキャロルの人生を疑問視し、残念がるでしょうし、モノを言う場面でも働いているキャロルの姿の方がすがすがしいでしょう。これまで依存の塊だった弟もキャロルの金銭を得ようとする生き様にきっと刺激を受けると思うんです。堕落の意味をこれまで誤解していたキャロルです。それはだらしなくも生活自体が怠慢になることと解釈していましたが、どうも違うんですよね。みすぼらしく見るからに貧乏になるさまを言うのですね?でもそうならない為にときめく仕事があるんですよね?モデルになってくれた弟の勇気がキャロルは嬉しいし、この一件が彼の人生を上向きにするなら、姉として執筆の甲斐はあったなあってなります。地球上探しても、どこにも替えがいない、たったひとりのブラザーですもの。