ルビー・ウーマン《黎明編》〔63〕これはいい機会だから、大佐、容子の長所と短所を言って見給え!そうですね~前々から言おうとしていた部分ですが義理堅いっていうのを長所に入れてやりたいと思うのです。短所はアッパラパな部分です。ともすれば雑な処がありますからね。そうかあ、すると反発心はそのままでいいということかね?この反発する力は旺盛なほど、自分は買います。なぜなら、いいことにその反発を使えるからです。それなら君の言う通りだとして僕にも言わせてくれ、容子は素朴なこころを失ってない、ここが買いだ。そして短所はあざとい点だ。裏腹なものを自分の中で両立させうる、ここが天才ならではだと・・・。さっきもあったな?メディアに徹していなければならないのに、自身は変わって、相手のつぼさえ、覚醒させる。それはでも違法にはならないのですか?そこが味噌なんだよ?人間であるから、感情推移や移入が許される。僕には許されないことが許されるのだ。触媒になってでも相手に気が付くように仕向けられるという部位は実際に、神々ですら予想だにしなかった。念頭にはなかったことだ・・・。嬉しい誤算だがその辻褄を合わせる意味でも、容子のあざとさが気になる。財産分与のことでも今は弟に言えないにせよ、血を分けた弟だから、本当ならきちんと言うべき。そうですね、大きい財産とは言えずとも、弟には話すべきだと僕は思います。君から示唆を入れたら?僕は今のままでいいと思います。何か予感がするのです。弟や父を思い、孫が決断した行為ですし、しかも財産を欲しがっての行為ではない・・・。わかるがね。