ルビー・ウーマン《復讐の館編》〔48〕千鶴ちゃんは、頑なでした。キャロがそれはなに?ってしつこく訊くたびに、お父さんの用事、人に話したらいけないって・・・。キャロはそれから訊くことはしませんでした。千鶴ちゃんは、大きな二個のピンクの玉の付いた、黒いゴムで前髪を横にまとめて結んでいました。その玉が白になることもあり、キャロは脅威に思ったのです。ピンクでも白でも千鶴ちゃんが付けていたら、絵になる。自分がそれを、付けても、全然絵にならない。結果わかったのは、千鶴ちゃんは、首が長くて、ツイギーみたいに痩せていて、そして、きわめつけは、顔が小さかったからでした。容子さんはその子、千鶴ちゃん病になってはせんか??と父から追求されても平常心でいられたのは、女性に飾りがあって、その二個の色合いで、どれだけ、キャロのこころが明るくなったか?ということでした。父や伯母と違い、母は大きなゆりかごのように、キャロを載せたまま、様子を伺っていました。たとえ、何があってもこの子を強制したりはすまい・・・そういう母の穏やかな教育方針が、キャロのようなこころの健康優良児を育て上げたと思うとおもはゆい。運命の路線が、決定済みという項目を埋めるように、千鶴ちゃんが住んでいたその家に次、住むのは弟のクラスメイト・・・。運命の力学を解明出来る鍵を、キャロが持っているのでは?というコロンボ場面にもなりますね。