デニム・ブルーママン19の17

 飲食業界の仕組みを澄んだ眼で見て学んだ容子は、私に持ちかけて来ました。いい音楽BGMと、お食事は必ずセットだけど、別の思惑が介在するの…自分で体験するしかない世界だと話してくれたのです。洋食の店ではそのムードに包まれ、和食の店にはそこに定住した味が棲む。しかし、生活力を果敢に発揮しようとすればするほど、疲弊は襲って来たようで、しょっちゅう喧嘩は絶えなかっようです。ある日、業を煮やした容子は、新道でまとめた荷物を自転車の前と後ろに括り付け、実家に帰って来たのです。国道251号を経由していました。私には、何も、言えません。ただ見守るしかなかったのです。