ようやく70編へと到達し、もしも、亡くなってもこうして執筆がしてもらえるのなら・・・なんていう御加護でしょう。まるで夢のようです。容子が私の言うことにまったく耳を澄ましてはいないようで、ちゃんと聞いていたことがわかって溜飲をおろしています。なぜ、あの子は聞いてないって私は疑って掛かっていたのでしょう。もともと芸術家っていうのは人様の描いた路線を行かないのが常なのに、私は奉公の世界ばかりをあの子に口を酸っぱくして解いてきた。師を尊敬し、その影さえ踏まないっていう日本の伝統のもとにあったほうが、あの子が絶対有利とそう思い立ったからです。しかし頑強な精神でそれをねじ伏せて、どうやら独自路線の道筋を掴んで来たようで、スーパーの閉店前を捕らえたのです。そこにあるものは・・・撮影することで、みんなが何かを会得できる。この苦しい情勢の中で各企業が、一体何を施策にしていく?いけるか?そこで、今後大きな開きが出てくることをあの子はいの一番に悟ったのです。確かに家族も一緒ですから、たかられて、あれも買う、これも買いたいってなる。家庭経済は瀕死の状況でも得るものが実に大きい。どうやら、プライチを企業の接待費に取り入れる風潮も出て来て果敢にそれを頬でダッシュした容子。あの娘の発言したことは現実の運びに、ベルトコンベアーに乗っていくのです。