デニム・ブルーママン19の9

 

まさお君のお父様に対する偏見の塊であった夫の側にもつけず、あたしがひとりでもんもんと悩むことになるとは・・・容子が突如いなくなった・・・と夫が言って来たときには恐ろしいことがとうとう起こってしまった・・・とあたしはのけぞりました。しかし自分の中でずるい考えも起こって来たことに参ってしまっていた。夫もそれなりに苦悩を味わうときがとうとう来ているんだ!!っていう覚悟でした。私は、容子からの電話をひたすら待ちました。しかし一回は受話器を獲るも相手は無言・・・何も話してくれない。私は呼びかけましたが、やめたんです。あれが容子だったことはあとからわかりました。容子はまさおくんと一緒に菜園場の身内の家に居候して、小倉のいくらやというスーパーで働いていたのです。しかしまさお君の親戚の家に迷惑をかけたらいけないということで内緒にしていたのです。あとからわかったことですが、若者の心意気を、まさお君のお父様は試験した・・・ということでしょう。それと同時にあたしたちの甘々の子育てを、彼が傍目から見て強く非難する気持ちも潜在的にあったと見ています。