デニム・ブルーママン19の6

 

母親の立ち位置は父親と同じではない…ふたりは全く別の思惑でいたことで容子は忌憚なく音楽にチャレンジ出来るとあたしは期待しました。よしんば、その音楽路線がなんらかの理由で頓挫をしたとしても、チャレンジの記憶は死なない。ちょうど、まさお君のお父様から、挨拶に来たいの申し出をあと一回受けた頃。夫を説得はあえてやらずに自然に任せ見守った私。人と人の中に立つのはやったことがなかった。誰かを説得したことが、人生では皆無だった。それだけ、母としてあの娘を雁字搦めにすることを避けたのも、あの子の執拗な感性を重視したからです。集中して没頭している時の鬼と化した顔。いいもの(楽曲)が生まれている…信じるに値しました。