エメラルド・ウーマン

 私は大正10年生まれ。西暦でいうと1921年生まれで、みんなもおおお!!っていうでしょう。大正年号は短くてその15年と5ヶ月の間に生まれること自体、珍しく、弟も12年で1923年の生まれです。また長女も大正生まれ。妹だけが昭和生まれです。私と弟は学年はひとつしか違わずまるで双生児のように育成され、お互い切磋琢磨する間柄。私は自分のほうが成績は上だった・・とうぬぼれましたが、くよくよ考え込むタイプの弟が実は思慮は深かったと今振り返るのです。ねちねち、くよくよ型の男はイジメの対象になり易い。弟はそれに該当しました。ある日、私は父に談判して学校に来てもらったこともある。しかしいじめっ子たちは父が来ているときにはいい子を通して、なかなか本性を表さない。すごく頭がいいんだと別の意味で思ったんです。これじゃ、父に来てもらった意味はない。本性を表さないなら、注意も出来ないって思ってた矢先、父ははっきりいじめっ子たちに、言い聞かせるのです。もしも、今度やったら、ただじゃあ、済まさんぞ!!私でさえ怖くなるくらいの父の鬼の形相でした。いじめっ子たちは散り散りバラバラ逃げて行きました。亭主関白の時代でもこうしていい点があったことを認めます。男は断固として主義主張を曲げなかった。そこを忘れてはいけないのです。