ブラックオニキス・マン197

 僕たちは5月4日に籍を入れることにした。母に保証人になってもらいたかったが、家の外に出るのはバイトに行く時だけに限られていて、会うのは難しい。僕たちは急遽、代理人に相当する人にお願いすることにした。母の人生で一番うれしかったのは兄の結婚式に出たことと、僕たちの花さんさんでの顔見せの会に違いない・・・あれから2週間も経過してしまうなど、まだ、信じられない。僕たちが育った環境が皆がびっくりするくらいだ。親父が倹約家だったために、お金はあっても使わない主義で、叩き込まれた。いやらしい親父だ・・・と思っていたが、人生に漂流してみてわかった・・・なんていう子供思いの父だったのか?それは自由に泳ぎなさい!!お金もあげるわよ!!っていう母の育て方ではない分、きつかったけど、父の教えに触れたことで今の自分は地に足がついているな・・・を確認ができる。母の教えの通りに自由気ままに生きていたらば頓挫は免れない。父が厳しかった分を母はもしかしたら愛情の補填をしたのかもしれない。いい方に捉えて鑑みる。兄たち二人もそう言ってた記憶がある。母はざっくばらんで気に病まない・・・その性格にはもちろんいい部分もある。父と母。まったく違う環境で育成されて結婚して・・・これから・・・母は、何を、人生のヴィジョンにしていくのだろう。それが近日明かされるはずだ。★24389★