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 僕も自分の半生を振り返る。姉や姉の伴侶、親戚たちからも、やいのやいのと言われても、就職活動に精を出すことにも至らず、怠け者だけにはしかしなりたくなかった。身体さえ鍛えていれば怠け心は起こらない。僕に自転車がもし無かったなら人生は寂しかっただろう。母は何でも恐らく買ってくれたが、僕は自転車で充分満足だった。ペダルを漕げばほぼどこへでも行ける。母のしてくれたことで最も嬉しかったのは自転車と:::次は中々出て来ない。なぜなら僕に課せられていたのは学業の成し遂げで就職の完了だった。父は口やかましく、僕に人生の落伍者を言い渡したが、母だけは優しかった。笑顔で僕を見守る。しっかりね!!とは言うものの父のように、お手本路線を言わなかった。父は今思えば権威主義だったな?って振り返る。父は僕が言うのも何だが、世渡りが上手かった。中学校の生徒たちに読書感想文を書かせで栄誉を頂いたのも新聞人と親しかったことが言える。父の一面を表す。そういう意味で姉は粗忽だったかも?って僕は苦笑いだ。二人は似ているようで、全く違う人生を歩んだと言える。父は生涯新聞を称え、姉は踏んだり蹴ったりの目に遭う。しかし二人を足して2で割れば将来も見えて来る。僕はそういう身内を持ってある意味幸せかもしれない。誰が何と言おうと姉は父を超えられない。そして父もそうだ・・・。なぜなら父は読書人、姉は文人だからだ。