西🏝姫瑠のアディショナルタイム(187)

 

 白髪頭での祝宴への出席は息子たちからブーイングを受けたが、あたしは気丈に乗り切った。ふたりの息子たち、特に次男が面白い。妖怪の世界にお母さんは今いるって話す。ざっくばらんに、砂かけババアのことか?ってあたしは理解した。死んでも葬儀屋は来ないことを次男には話しておいた。メモリードの葬儀保険をパーにしてしまった。次男は明るく、お母さんは当分死ぬことはない、だから心配はしないで!って慰められた。80万の葬式が出来る保険を失くしたことは痛いがこれも、身から出たサビ。諦めたい。しかも、三男はあたしが車に乗るなり、次のことをのたまう。獣臭(けものしゅう)がする…って。ショックが来て凹む。加齢臭の方がまだ救われる…三男のフィアンセが優しくカバーしてくれた。大丈夫ですよ、全然お母さん、大丈夫って。ジーンズを穿いて参列を、あたしは心から謝った。なぜなら、痩せてしまい、スラックスが全部落ちてしまう。今はドンキのSしか合わない。