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 あたしは矢上のにこにこセンターに用事があってその帰りにメモリードがすぐ横にあって中を覗く。夫がまだ存命で、しかしその状況は必ずしも快方へ向かっているとは表現し難い、厳しい現状に置かれていたとき。二月初めだったを記憶する。あたしは以前からCMで葬儀保険というのは聞いていたので内容を詳しく知りたかった。しかし、面倒臭くて中まで入ったことがなく、その時が、初めて。夫の病状はさておき、この保険内容を知りたかったのも自分が保険会社にいた履歴が興味を抱かせていた。いいものに着手したなあっていう感慨がすでにあったのです。父の時、これを掛けていれば、あんなにすったもんだすることはなかった。テレビでCMしているものは直送ランクですが、それでも充分いい。あたしは形さえも整えてあげることが出来ないダメな娘だったのです。父がせめて元気で八十代迎える前なら楽々入れたでしょう。審査もある。しかしそれは生命保険会社のように健康診断を兼ねたものではなく簡素なものでは?とあたりを付けてた。なぜならその保険金は丸丸葬儀費用にいく。何も心配ないし物事すべてをクリアしている。要するにどっちにとっても都合がいい。あたしは強力な資金力での将来年金像を模索している真っ最中。ゆえに食指も動く。キーワードはどっちにも利益と満足を与える両者相互関係。どこかを真似が出来ないか?をまず思ったのです。