アクアマリン・マン49

 不思議な対比だが、僕が容子に溺愛だったのに比較して伯母は一切、甘やかすことはしなかった。金銭を与えても執筆の報酬として子育てに於ける諸経費として与えていた。とても辛辣な思い出はあって、一緒に外国語短大の入学祝いを中通りに購入に行って試着させて入学式の服をプレゼントしたのに肝心の容子は一週間も大学に行かない。この話を初で聞いたとき、僕は、容子は駄目だ・・・とそう思ってガックリ来た。バンカーとしての感想で、伯母の憔悴や落胆も分かるというものだ。こういう貴重な話を伯母は僕がひとりで訪ねて行ったときにひとつひとつ思い出すように手繰り寄せるように話してくれて僕は年に3回くらいは伯母のもとを訪ねて、子育て渦中での子供への対処方法についてを難関突破についてを相談したのだった。江平(えびら)という場所に棲んでいたので、バスと電車で一時間は要する行き来だったが、子供を実際育ててない女性の方が冷静な判断が出来ることも驚愕の事項であった。もしも子供を産んでいたら立派なお母さんになって子供も立派になっただろう・・・と当初は思っていたけど、時を重ねるごとに僕の感じ方は変遷を遂げる。自分の子供がいなかったからここまで構想は膨らんでいったのではないのか?っていう頂上志向だ。子供は居ない分、偉大な構想に出ていた。容子はバカではあるけど、隅にはおけないと伯母は言ってた。ライオンの赤ちゃんが市場にいる。今はトラの赤ちゃんで猫と見間違うけど、あの娘は、百獣の王ライオンの子孫である可能性が高いって・・・。