アクアマリン・マン143

 エメラルド・ウーマンに伯母が出て来ると聞き俺は天にも昇る気分。なぜならひとつしか学年が違わない容子の父親とは雲泥の差がある伯母だった。きつく言いすぎると容子に叱られる。全く両人の金銭感覚が乖離していた。伯母は輪ゴム一個でも捨てない人。もちろん使ったサランラップもだ。いつかは出番があるかも>って絶対保管。この精神に僕は賛同する。甥っ子たち、姪っ子たちは伯母の家に来たらすぐに、こう進言した。捨ててしまわんね!!こんなもん取ってると、すぐにゴミ屋敷になってしまうけんね。しかし伯母はなんと言われようとも、そういう一つ一つを捨てず、保管していくことで、容子に投稿の軍資金を渡していた。このことを思う。あいつは誰のお陰で成長が出来たのか?っていう重要な論点。容子のことだから、そこをないがしろにはしない。もちろん、捨てるべきっていう物も中にはあるだろう。そうは思っても、今は捨てないで書類は全部保管している。3月には申告に行かないといけないということもある。家は俺の名義だった。ちゃんと遺産相続の手続きをして俺の分も代理で申告?そこは詳しくはわからない。俺は2020年、69日しか生存してない。あいつを伸ばしていったのは縁の下の力持ち達だ。伯母だけではない。普段は目立たない。あいつはその宝石に突如、気がついた。そのことが俺は嬉しくてならない。