デニム・ブルーママン16の2

 もしも未来はわかっているのなら、私は止めたでしょう。女子高校で充分いい!!って夫に談判してでも止めたでしょう。容子は、親友の兄が県立高校へ入学して二年になる際に転校になった様子を実は眼で見ていた経緯があったのです。なぜ、どうして?はあったと思います。容子の憧れの女子のお兄さんですから、容子は素直に尋ねたといいます。お兄さんは転校したの?って。深い事情を彼女は知らない振りをしてその場を収めたといいます。当時は、そういうことは頻繁に起こっていたのです。入学を決めてもその高校で無理だな・・・を先生方が判断した場合、大概は私立高校への転校を示唆されます。まさか、容子が入学を決めてすぐ、一学期の間にも、そういうコースを辿るなどまだ、私は想像はしたくなかったのです。もしかしたらついていけるかも?の希望も抱くし、容子が、父親の言うことに律儀に従っていたのも塾に行っている男子の動向が作用したからでしょう。しかし意外なことがあとから判明するのです。塾に行ってた幼なじみは容子と同じ県立高校が希望でしたが、容子が好きだなって思いを寄せていた男子はなんと、工業高校へ行くのです。それは考えてない線だったので、あとからがっくり来る容子だった。しかし今思えば、なんらかの予想は常に当たるっていうことは言えますね。いい予想でも悪い予想でも自分の心の中をよぎるまでになればそれは当確です。私はもう教育に関わりを持ちたくはなかったのだと自分を分析していました。二度とは関わらず、なにか起こっても外野にいればそっと退場出来る・・・それくらい容子が年中さんで起こした事件は辛辣だったからです。