デニム・ブルーママン13の16

 泊まっている間にもやろうとすれば縄跳びやストレッチなど出来たはずですが、容子は中途半箸は嫌だったのでしょう。私はあの子の性格をずっと見てきて一回決めたら実行するタイプなことはわかっていました。一緒にいく女子の知り合いの病院の家に泊まるということで少し安心はありました。しかしどんなことが旅行中に起こるかはわからない不安はあったのです。伯母は一本釘が抜けているような性質もあったからです。秋には結婚を控えて容子と最後の旅行を満喫したい気持ちはわかるけど、親でさえ容子との旅行は経験がなかったことを思えば強引過ぎる・・・しかし経験を多く持たないと国際感覚は磨かれないという伯母の言い分にもどこかで賛同する理性的な自分もいたのです。ここでも符合が起こっています。一緒に同行した女子は一歳学年は下。万博のあとで向かう千葉のいとこの女子も一歳下。ふたりとも標準からはるか上にいる女子たちで品格も成績も違うのです。そこで容子が自己嫌悪に陥る構図も面白いかも?って私は意外な鉱脈を見つめるのです。あの子が中2になって急降下で成績を下げていたこと・・・それは教師に対する反抗心と怠惰からでした。自分は歌人になれるとでも思っていた?それとも作曲家に?そういう夢をすっかり剥ぎ取ってしまう

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ために良い機会を得たのかも?って私は遂に了承していたのです。