ブラックオニキス・マン84

 

速く定職に就きたいと、そればかりを念頭に僕は2021まで来て、ようやく定職にありついてみると、また上の希望にがんじ絡めになる。男の性(さが)だろう。僕は世間一般の平凡な生活が出来ればな・・って芯から願うし、食パンをフル活用して彼女はフレンチトーストを作ってくれる。ときには手作りのクロワッサンも・・・スープも自家製だ。そういう理想を僕は追い求めてきたが、・・・彼女と知り合う前は近所のガストに入り浸りだった。この味は家庭では作れないものでは?と僕はプロの味を堪能した。母とよく行ったジョイフルも懐かしい。ラッキーランドが横にあった戸町、そして長与のジョイフルと僕らはクルマで行脚した。クリーム色の外壁がジョイフルはおしゃれだ。以前は、24時間営業だったことで、ドリンクバーで何時間も居座ったものだった。今が夜中の一時には閉まることもあって、以前の世界を思い出しては興奮の坩堝にハマっていく。なぜ、そういうタフガイみたいなことが可能だったんだろうか。夜中どころか24時間ぶっ通しで開けていたという奇跡!!メンテナンスが出来ないことも多かっただろう。お客の利用を一時、止めないことにはドリンクメンテナンスは出来ない。ミッドナイトは、ひとり制を敷くコンビニもぼつぼつだが出始めている。求人して人が来ても長く続かなかったり、店が、あえて、ひとり制を獲っている店舗も多くなった。防犯問題さえクリア出来れば、ひとりでも大丈夫な気はする。しかしふたり制を保持しているコンビニは安心感もあって、夜中でも迷わず行きたくなる。なぜ、こうこうと明かりをつけて、これまで、コンビニは僕らの生活に関与し貢献してきたのだろう。その降り積もった時間に対して、僕らが無言で考えているのは、コンビニに対する恩返しである。