デニム・ブルーママン18の3

 

新聞配達に関しての周囲の評価は歓迎とはいきませんでしたが、容子が新聞に興味を抱いていた気持ちを昇華するには一番、てっとり早いのでは?と私は心のどこかで応援する自分を認めていました。バイトを終えて、学校に行くわけで、逆にまったく遅刻することはない。容子の心は満杯で、配達する家の順番を自分で決められるチャンスや興奮を話してくれるのです。普賢山登り口には鳥居があって、そこをくぐり自転車で登っていく。かなりの急斜面ですが、その上には同窓生の家があり、そこがよく遊びに行く友達の家だったことで親近感あったのでしょう。その家がファースト!!って決めて配る順番を自分で調整していく。どうすればもっともリーズナブルに機能的に配れるのか?そこを吟味していくことが面白い!!というシーンで私も及ばずながら力になろうと思います。私は眠れない気持ちでいました。朝早く行くのはいいけど、学校に行くのに遅刻がなくなるのはよいとしても、思わぬ事故に遭ったりはしまいか?その辺での心配はあったのです。当時の自転車は頻繁にチェーンが外れることもあった。何しろ容子は言い出したら誰のアドバイスも聞かない性格で、猪突猛進型には参ってしまいます。夫も勉学の方が優先事項だと譲りません。しかしこのときの容子の選択は良かったのかもしれません。朝型人間の長所を思う存分その頃に培ったとすればこのバイトは後に吉と出たのです。