エメラルド・ウーマン78

 教師という職にプライドを持って歩んだ私ですが、それと並行して常に世間一般の眼差しにも目を向けて来ました。嫁に行きそびれるチャンスを逃さずに、賢く生きないといけない・・っていう縛りです。しかし私は子供のことをとうに忘れていました。45歳を過ぎた頃になれば女性は誰しも諦めが先に立つ。当時と今は医学的に違うかもしれないけど、私は自然に授かりたかったのです。しかも、婚姻届がありました。結婚もしないで、子供をもうけるなんて・・・まず考えられない。しかし、頭の中で空想したことは何度もあるのです。神様がいきなり、子供を授けに来たよ!!って夢の中で現れて、そのとき図々しい私は神様に質問する。あのう・・・教員の仕事も辞めて、自分の子供の世話が出来るんですか?神様は言いにくそうに答えた。いいえ、あなたの場合はどちらも、しないといけません。嫌なんですか?い、いいえ。滅相もございません。私は、夢の中で嬉しかったのです。そしてハッピーエンドを迎えるのです。旦那がいたのです。私には神様は隠していたけど、未来の旦那がその子供の父親になってくれる。しかし・・・待てよってあたしは訝ります。教職の仕事で私は何を達成したんだろう?退職金はもらいました。でももっと、明瞭な答えが欲しい!!って。汲めども尽きぬ喜びをよく弟は語っていました。それが今の私の偽ざる気持ちなのかもしれません。