ルビー・ウーマンr353 父の心は暫く時間が経過したことで少しは吹っ切れたと見えて私はほっとするのです。しかし生活は中々安定はしません。ざぼんちゃんに預けるお金が無くなっても、家に子供の世話をしてくれる女性の出現に安堵します。私は家に来て子供達の世話をしてくれる女性がまさか夫の愛人だとは知らず、それを聞かされた時にはびっくりするのです。最初は隠していたようですが何かの言葉の綾でばれるのです。しかし、もはや離婚を決めた相手だし、そこまでうるさく言うことはしません。しかし子供達を預けるという一点で気は引けるのです。全くもてるタイプではない旦那がここまで若い女性を首ったけにしたことが信じられないし相手が可哀想でならない。しかしこれも別離の決心を付けるにはいい材料だとプラスの方向に私は獲るのです。知らなかった間、自分は馬鹿だったかもしれないけど、相手がいたことで人生を切り開いていけるかも?って旦那の立場に立ったのです。しかし全く自分でも情けなかったのは、彼女に育児をして貰ったお給金を渡せない。この究極がくやしかったのです。私よりも七歳も下で十代。しかし何かを超えた憐憫の情が彼女に対して涌いてくる。旦那も文無し、私もきゅうきゅうしていて、車の保険会社の人が車のナンバーを見て茶化したことも懐かしく蘇るのです。ごおきゅうきゅうがばっちり合ってますね?って。貧乏暇なしで働く私に盲点があったとしたらそれは帰宅時のタクシー代だったと言えます。