エメラルド・ウーマン69


 恋愛ホルダーっていう部門なら快活でチャレンジ精神ある容子なら抜擢でしょう。培った恋愛歴を活かすときも同時に来ています。結婚も相性が存在します。ですから心根がいいな・・好きだなって思っていてもそりが合わないっていうときは固定観念が邪魔するとも言える。価値観を司る両者のプラットホームが摩擦や誤作動を起こすのです。セックスも重要な鍵を握ります。結婚してもそれを拒否するようなら最初から結婚してはいけなかったし、女性には応じる義務が結婚によって生じていく。男性もしかり。自分の個室で過ごし相手をスルーは良くない。私が再婚に当初は躊躇をしていたのも、その辺での苦慮も想像していたからです。女性としての人生をすっかり忘れていたことで浦島タロ子の気持ちだったというのは正直なところです。結婚て所詮は経済の結びつき?それなら、なんの為に結婚したのか、意味不明になるというものです。私は重要なことを夫の看病で学びました。毎日病院に手作りのご飯とおかずを抱えて行き夫の世話をしたのです。二年とちょっと、そういう日々は続行しました。段々と打ち解けてくる相手の心が尊くて、はっとする瞬間があった。私自身が夫を軽視していた一面があったということです。自分の方が収入あった時代がかなり長期に渡ってわたしは知らないうちに夫を上から目線で見ていた。そこに気がつくのも介護のときの彼との対話からでした。彼は済まなかった・・・って一言言うのです。そこまで言われると私は涙が溢れてきてそれを止めることが出来なかった。私の涙に彼は気がついてそのとき、言ってくれたんです。いい人生をありがとう!!って。その言葉は忘れません。私に遺して逝ったのです。人は恋愛を人生に於ける史上最大の戦果みたいに扱いますが、年をとって気がつくことの方が遥かに多い。若者たちが将来の年金の計算に明け暮れるとき、逆に容子は恋愛ホルダーを執筆すべき・・・と思ったんです。