エメラルド・ウーマン65

 

容子の母親はコミニュケーション能力を教員時代に培っていながら、それを結婚後、教職を退き、私達の階上に棲む専業主婦になってからは、無理からぬ話になっていたことが、ひとつの注目点でしょう。小学校教諭の13年間の間、少ないながら構築してあったコミュニケーション能力を即座に破棄することが出来るくらいのステイタスが専業主婦にはあった・・・という驚きです。嫁ぎ先の夫の親とは調和は難しい・・・と当初から匙を投げてしまったことを私は責めません。そして可哀想とか、弛んだ心で擁護もしません。どんなことがあっても夫の親を大事にして親愛を構築していく真摯なこころが嫁の成長のみならず、義母も長生きできる素地を後年培っていける。ひとつの必須アイテムだと思うのですが・・・今はそういう時代ではないかもしれません。私は、国葬のあった1922年は一歳で覚えてはいませんが、後に知ります。大隈重信の偉大さは学習しています。それから百年を経てこの国は一定の役目を終えますね。民主主義の揺るぎない定着です。次なるフェーズへ向かうことに心騒然としながら、客観席に私は座っています。顔もハンサムで心根の高貴な安倍総理は私の希望の総体だったこと・・・切り抜きを部屋のふすまに貼っていたくらいです。民主主義を尊び、ここまでしなやかに、無難にやり遂げた総理として、国葬を厳かな気持ちで見守る私は居ます。うがった見解でいろいろ物申すのが自由とはいえ、日本の乱調を、どの国の国民もしっかりその眼に焼き付けている現実をしかと踏まえていたいものです。