イエローダイヤ・マン1515

 お金がなくてこんなに激甚を感じた週はなかった。それを見ながら自分の人生を振り返る。家計簿もなかった人生だった。細かい明細を書いているうちにも頭が痛くなるし、そういうことは自分はしなくてもいいって高を括っていたことがさらに無頓着だ。お申し込みの融資案件も、大事な書類は欠落していた・・・と封書が来てそれすらない。その書類を出すのに600円は掛かる。まだ、出せそうにない。二枚揃えないといけないからだ。僕のように不用心な人生だと誰だって信用に値しない・・って傍には来ないだろう。孤独癖はないのに、どんどんみんなとの距離も遠くなる。それなのにまだ、どこかで希望を抱いていることも不可思議だ。

 自分がよほどプラス志向にねじ込まれていることが判明する。この馬力っていうか、倒れないところがウルトラマン並みにスゴイと思うし、誰だって口では明るいですねえ・・って言うけど、計画性に乏しい人だと思うだろう。さすがに夜の八時まで、ずっと白湯を飲んでいた僕が可哀想・・って思ったのか、家族が昨夜ジョイフルに連れて行ってくれた。そして孫の残したお子様カレーを食べる。なんていう旨さだろう。ポテトフライもジェリーもつきおもちゃも。お子様カレーにフリードリンクを付けて、大人まで様々なドリンクを味見して華やいだ。本来なら大人のジョイチケを使うはずがそれも、もったいないって判断だろうか。さらにそのあと、リビングの冷房がとうとう壊れてしまい、一睡も出来なかった。僕の部屋にある割と新しいダイキンのエアコンを家族の部屋へ移動してもらうことにした。僕は去年も冷房なしで過ごした。この生き方には慣れている。顔に吹きかける霧吹きさえ用意したら冷房なしで過ごせる。そして傍の定位置にはうちわが二枚。孟夏は待っている。激甚貧乏の僕をさらに文豪にしていくのだろう。