ブラックオニキス・マン154

 僕らは今日は給料日。土曜日に掛かっていることで一日速いのは嬉しい采配だ。きっと母も今日がセブンイレブンの給料日。そして一万円行くか行かないか?っていう給料でも、きっとそれがあることで、がん保険の支払いに充てることが出来るはずだ・・・と僕は想像し安堵する。諦めの悪い母は根は非常に倹約家。これも親父から学んだセオリーだろう。あんな亭主を持てばどんな蓮っ葉なお嬢でもまともになりはしまいか?僕たち息子は思いやる。母なりに夫に付いていこう!!はきっと結婚当初からあったはずだ。しかし父の倹約家は俗にいう筋金入り。どんなたるみや緩みも許さないっていう徹底的な倹約主義で、息が詰まるわ・・・ってどこかで母は避難場所を求めてしまったことが、作家としてのスケールを自然に大きくしていったのだろう。悪いことだけではなく、作家はすべてを資源にする。自分に降り掛かってきた難儀はここぞとばかり仕留め、描いていく材料にしていく。僕らはだから描かれることを前提に生まれた・・・といっても過言ではない。郵便局でまた手数料を110円も支払って、400円をおろしてかんかんに怒っていた母のグーグルレビューを見た。レシートまで付けている。これなら運気も挙がるに違いない。大体こんな悪政をなぜ、郵貯は強硬に率先してやったのだろう。母が郵貯に貯金したいな!!って後生思わないほどの絞り取り。しかも庶民からだ。わざわざ、400円を窓口に来て下ろすはずもない。貧乏な者にもプライドはある。貧乏人をターゲットにして食い物にした郵貯と違い銀行は小銭をおろせる。ひがながのイオンだって小銭をおろせる。十八親和銀行だ。もちろん手数料が掛かるはずもない。