デニム・ブルーママン15の19

 容子は中3になってピアノ教習と勉強の取り戻しで大変な切磋琢磨に追われていました。夏休みが済むと受験まで相当に近くなってきていることも焦りを増長させていたのです。しかし中学二年時に、数学ではかなりのブランクが出来てしまい、それを取り戻すのは時間そのものが足りず、暗記系と数学系の差異が目立っていたのです。どうしよう・・・今のままの成績では、とても夫の目指したい東高校は無理かも・・・ってあたしも弱気になって、女子高校の純心を希望に替えてもいいのでは?って時間あれば話したくらいです。お隣のロコちゃんが順調に東高校に入学して毎朝、きりりと通学しているのを見るにつけ、同じバスに乗ることも多かった夫には、競争心も湧いていたのでしょう。夫にとってのいとこを父に持つロコちゃんはシャープなアタマを持っていました。よしんば、容子が間違って、入学を決めたにしろ、辛い結末が私のアタマに浮かんでは消えないのです。ロコちゃんの話にまず、ついては行けないだろう・・・があったのです。長い歳月を経過して見てみると、このこともよくわかります。ロコちゃんは教師として長年勤務し、とうとう定年を迎えていますが、肝心の容子は??私は笑うに笑えません。私が産んだこともあるし、今の容子の苦悩も同位でしょう。親は子供に多くのことを期待して存分に資力を尽くして戦えばいいのです。結果オーライで、充分いい・・・人生はそれぞれ花があるからです。