ブラックオニキス・マン143

 誰もがもしもアルバイトとして母を雇用したら大変だろうな?は僕にある。なぜなら母の勤務するスーパーマーケットダイエーに僕もたまに登ったことがあったからだ。剣道の仲間が学校を超えて存在していた。橘(たちばな)小学校の面々だ。この小学校は矢上団地の子供たちを主に管轄していてみんな、ハイレベル。勉強が出来てスポーツもします♬みたいな感じで刺激をもらっていた。例えばゲームの情報でも団地の生徒はハヤい。それだけ速度を挙げて生きている証拠だろう?って幼心にも思っていた僕だ。ファッションだってそんじょそこらではなく小さい頃からファッションが得意だった僕にはレベルがちょうど良くて母の勤務するこのスーパーにも自力で登って遠くから見ていることもあった。母は自分が見られていると気にするタイプ。つまり、視線を察知するのが速い。そういう特別な能力を持っていて僕が言わなくとも声を懸けなくてもすぐ僕の到来を知って駆け寄って来る。剣道の父兄の方の紹介でこのダイエーには入店していたので、僕もその子供さんとすぐに仲良くなって、お互い慣れ親しんでいく。しかしずっと彼は剣道をせず、後に柔道に転身。確かにそれも納得の体型であった。お母さんは素晴らしいリーダー格タイプの人物で母といつも笑顔を交わしながら仕事をしていた。何が起こるか分からないハラハラがあっただろう・・・は推測出来る。母は普通の人とは違う何かを有していたからだ。先に何が起こるかわかっていても実験と称してそれに向かってあえていく気質。僕らは子供たち五人は全員実験台にされたと思う。それでもいいと思っている。母の元をすでに巣立ったからだ。