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 自分が憧れている職業に就けなくともみんながどこかで自分に規制や見切りを付けて働く基礎を構築していることが見るからに大義だ。僕も十代の頃、様々なことに興味を抱き、特に男性の付けるネックレス、腕輪、時計などに傾倒した。調べれば調べるほど興味は尽きず、そしてそれを身に付けることで全くそれまでの自分ではない感覚も発祥で驚く。このファッションの基礎にアクセサリーがある。自分好みとセンス、そして独特の衣服イノベーションを駆使しながら自分の身なりを展開していく、着用するものを見れば大体その人の人生が分かるというのが衣の原理だろう。僕は母を見ていていつも情けなかった。ホームレスのような格好で化粧もなし。しかしやがて、そういうものに興味ないことが少しずつ理解出来るようになる。母にとってはタイプを打つことが基本でおいそれとは子供の僕たちが助言出来たりするものではなく、タイプに向かっている時の母に声をかければ疎んじられることは幼い頃から分かっていた。しかしながら、あえて、僕は声を掛ける。敵も上前を撥ねながら反発してくる。今、話を掛けないでね?なんで言うことがきけないの??怒った時の母の顔は子供心にも鬼だな!!ってそう思った。しかし怖くはない。なぜなら母は母自身を一人前のライターにする為にタイプの盤上で奔走していたからだ。