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 僕がいまだに職を決めていなくとも母はちっとも暗い顔はせず、ににこにこを保っている。そして常にあのカップ麺を最近は用意するようになっている。シーフード味が大好きな僕の為に一番大きいサイズを準備してクッキーまで購入して待っている動作に僕はじいんとなる。母の誕生日までに捜すことが出来なかった。あと四日でそれは来る。僕は家族に誕生日のプレゼントを渡したことがない。なぜだろう?って考えてみるけどそれが自分でも文字に出来ない。親に感謝してないからではない。なんか、照れ臭い感じに包まれる。それが嫌なのか?母に対してしかし、言葉掛けはする。もうすぐ誕生日だね?何歳!?どんな気持ち?って。兄は僕とは違い、毎年、誕生日にはプレゼントする。初給料ではダックスの帽子を親父に贈って死ぬまで被っていた。そこまで喜んだのなら本望だろう。広島カープ戦に招待されてその時も被っていったそうだ。もうプレゼントとはいえ、単なるプレゼントの効果を離脱してしまい、帽子が醸す相乗効果に僕は戦く。そういうファッションの仕事が僕はしたかった。創立百年に入社した兄は記念すべき入社組で心底羨ましい。それに比較して僕は・・・この気持ちは何だろう。素晴らしい兄は正しく我が家の太陽だろう。