デニム・ブルーママン15の6

 中体連が近付くとみんながそれだけしか見えなくなってようやく容子のバレー熱と近まってくる。みんなもそういう特別な日が大好きなことがわかって嬉しさに弾むのです。新セッターも思ったよりも速く上達し仕事に慣れてきてそのとき若干くやしさを禁じ得なかったと言います。彼女が上手くいかなくて、もう一回、和田さんに任せましょう!!っていうシナリオも描いていた容子でそういう点がやはり未熟で、心もとないのです。しっかり100%の情熱で新セッターを囲まないといけないのにどこかでズレもあった。あのいきなり顧問を暫くは恨んでいたことも容子の性癖を表していました。子供達だけに任せておいていきなり来て、ポジションを変更してこれなら、勝てる!!っていう態度が先生であっても気に食わない容子。しかしそれを言えば自分は協調精神がない・・ってはなから判断される。レギュラーになっているだけでも幸せなのよ?って自分に言い聞かせて怒りを収めていたのです。周囲もそれを知って、いいトスが上がってアタッカーが見事に決めてもそこまでチー厶は高揚はしません。みんなが容子を気遣うのも、想像の範疇です。努力してようやく勝ち取ったポジションだということは自明だったからです。人生にはこういうことは沢山あるのだろうな?容子は神様に質問します。なぜ、身勝手な行為に人間は進めるのか?先生であっても、あたしには許し難いって。しかし神様は、じっとそのままにしておきます。啓示にはふたつあるのです。神は知らせたいときにはすぐにも答えます。しかし忍耐をその子に与えたいとき、あえて回答なしのときもあるのです。