デニム・ブルーママン15の3

 顧問に厳しい措置を受けてポジションは変更になっても自分は今度はレシーブで貢献出来る・・とプラスオーラで挑むしかなく、セッターとしての役割は一応終焉は見たようです。ひとつのチャレンジの終焉でもあったんですが、受け止めるという行為にはまったく芯から対峙したことがない容子は神妙な顔をしてレシーブの練習へと方向転換していくのです。セッターの要素がないといえば嘘になります。後方でも球を一気に相手コートへ挙げることもたまにあったけど、実は後方にはサーブが飛んできますからこのこの辺でのスピードが問われていたのです。敏捷に反応し球を拾う・・・ネットぎりぎりで急降下してくる球を拾う。ときにはお隣の選手とお見合いだって起こる。そういうとき、あたしが獲るっていう声を出しての訓練も大事だったといいます。任せて!!声がでない人でも右手を挙げれば良い。お互いがお互いの意気込みを了承し、相手が取れそうだなっていうときは自分は手を出さない。しかしそこまで読めない速いボールも来る。どっちが?って考えている暇がない。真ん中なら守備範囲は広いのですが、容子はライト三段目です。ぎりぎりコートに入ってくるボールを一瞬で見分けることの難儀と対決します。それが速いボールでしかもラインぎりぎりで入っていたら?スポーツの面白さは、語り尽くせない妙味に包まれていたのです。