万博に行きたいな!と容子から言って来たとき、伯母の強い意向を担うのか?と懐疑心はありましたがずっと話を聞くうちに、段々と説得されて行くからマカ不思議です。お母さんのお兄さんは一人娘と結婚したゆえ、その一歳下のいとこの女の子にとって女子のいとこはあたしだけ。寂しくないように、あたしが会いに行く!って。折衝能力が半端ない。しかも、こう言うのです。私には他に一杯いとこはいる。みんなを見ていて、張り合いがある。みんながみんな、私に優しい訳じゃない。嚴しいことも言ってくる。だけど、いとこは大事な存在。ハトコもね。私はこの子が持つ丼勘定的な世間の見方、接し方が好きではあった。しかし、上流、とりもなおさず、私達が想像力を駆使しようとも、叶わない上流から中流、そして、そこからはるか下の庶民には、鈍感な思い込みがあることを、まだ容子は知る余地もなかったのです。