エメラルド・ウーマン27

 あの子と私は全く類似点はない…と容子との接点を絶ちたい自分がいたのも事実です。表面こそは義理人情型をモチーフにする私の深層心理は真逆であったのです。完全エリート型が私の理想でスマートさを最優先する男性、そして、滲み出るような如才なさを内に秘める女性こそが理想にはあったのです。しかし、じゃじゃ馬度の半端ない容子を見ながら随時作戦を変更していくやり方しかない…をやがて本能で悟るのです。運命に則り、この世に生まれて来た人間には、恐らくはテコでも動かない宿命があるのだろう。私の弟の元に生命を授かったという星回りをまずは慎重に吟味したのです。弟は容子に期待を惜しまずエールを送り続けたものの、容子が、まともに、それを素直に聞いたことはほぼない。すべて、運命の定めるまま、生きて行くかの如き、姿勢。母親のミチ子も、容子の生き方をとやかく言わない。子供の意のままだったのです。f:id:hn0709:20211211222303j:plain