エメラルド・ウーマン26

 私が日頃から講じていたのは、容子を特化する作戦でした。これはあの子と同じ屋根の下にいた8年(容子が6歳から14歳)の間で完了しておくべきは分かっていたのです。しかし、計画通りには行かないのが世の常…それで私は成功率の高い暗示作戦を取ったのです。わたしの妹は才能の塊のような武器を生かせないまま、この世を去りましたが、同じ場所に妹にも、容子にも、ホクロがあったのです。眉と眉の間。ここにホクロのある人は大層感受性は高いけれど、難点もある。情にほだされ易かったり、自惚れが強すぎたりする。私は飲み込み易いように巧みに言い換え、何回も容子に言っては聞かせる。眉と眉の間にほくろがある人。それは神様とこころを通じ合わせる技量を持つ人物だと説明するのです。容子は暗示に乗って来ました。それは私には好都合の第2段階になって行ったのです。f:id:hn0709:20211204140719j:plain