デニム・ブルーママン10の17

 容子の弟は感性がはるかに鋭敏でどちらかと言うと、常に、怯えるタイプです。大人になって厭世主義者になるかも?っていう予想は立ちました。私が思うに神様は意外な采配をするんだな…っていう、意外性です。その頃、サンダーバードという人形劇画が放送開始になるのですが、二人は全く違う観点でテレビを見ているのです。姉の容子は大雑把で、この画面をノーマル感覚で観ている。それと比較すると、弟はまだ小さいからでしょうか。この人形たちが実際の人間だと思ってか、心臓が早鐘を打つべくして観ている。将来作家になるべきは、明らかに繊細な弟…しかし、世の常で、要領がいい姉の方に軍配が挙がる気がして私は沈黙したのです。