デニム・ブルーママン10の5

 よそのお宅には散々お邪魔しておきながら、自分の家には友だちを招かない。ここに寛容な容子がいらいらしないはずはない。私も意識し始めていました。一回は開催しないと、今で言うヤバいに相当することは確実だったのです。しかし、私の頑強なこころが阻止するのは分かっていたのか、じわじわと作戦を立てながら私を説き伏せる方向を探っていた容子。誕生日は年に一回、小学校三年生がチャンスでした。みんなを招待すればきっとこれまで家に入れてあげなかった過去の失礼も払拭される。しかし、私は憂鬱でした。人が人と打ち解けていく和やかな経過さえ難儀に思えた。ひと肌脱いで、私はお誕生会とやらを引き受けることは、やがて、避けられなくなるのです。