デニム・ブルーママン12の8

 創作の仕事とスポーツの両立は容子の人生計画表にあった。啓示で将来着手すべきを、ある程度は理解していたのでしょう。各家庭を回るのも、群像把握があったことは推察出来ます。ある日、あの子は学校から帰るなり、女子生徒の家に遊びに行って来ると、ランドセルを置き、その女子と一緒に中尾の上の方にあるという彼女の家まで歩いて行きます。3時間以上経過しても、帰宅しない。私はとても心配になり、家の外に出て道の向こうに目をやる。暫くすると、とぼとぼと、疲れた足取りでこっちへ歩いて来ます。安心はどっと襲ってきて私は何があったかを尋ねると、土間から座敷に行く為の段差のある板の上に座るように言われ、待たされたそうです。人生で初めてやきもきしたと、話してくる。彼女はおばあちゃんの肩をずっとずっと叩いて、おばあちゃんも、もう止めてもいいよ…を言わない。痺れを切らした容子はひとりで家路につこうとするも、道に迷い、遅くなったことを打ち明けてくるのです。f:id:hn0709:20211201010005j:plain