デニム・ブルーママン10の13

 若いときにしか出来ない挑戦を美知は実践し、しかも、主軸は京都に置いていました。本格的に茶道を極めつつ、短歌も折に触れ詠う…まだこの風情を容子は理解出来る年齢ではなかったものの同じ道、根本は芸事で通い合うものがありました。やがて、親鸞ゆかりのお寺から是非、養女に…との話が出て美知は迷うことなく京都へ赴く。ピアノ弾いてくれたら、5円あげるわよ?美知はそうやって容子を応接間のピアノのある場所まで招き入れ、弾かせては、聞き入っていた。私と彼女との距離も、容子が縮めてくれたのでは?と思えるのです。