デニム・ブルーママン11の19

f:id:hn0709:20211109111749j:plain 暫くは、みんな口喧嘩をしなくなった階下の家族たち。妹の死後、夫はまだ模索していたようです。美知の短歌の集大成と言えるものを作成出来ないかを丹念に探そうとしていた。しかし、鬼嫁の私は夫が階下のタンスや文机をごそごそするのは極度に嫌だった。姉の希子なら!?と当たりを付けてノートに書き留めたものがあれば、保管し自分に渡すよう夫は希子に頼むのです。誰もが妹のこれぞ…という短歌を知らない。町民はおろか、従兄弟でさえ、母親のタヤさえ知らない。兄の夫でさえ、今一度、確かめないと、美知による作品なのか、違うのか?分からない。自分から前へ出て才知をひけらかすような妹ではなかった。その清冽さに皆がため息を漏らす。しかし時間の移ろいは、意外にも速かったのです。(写真はクレヨンしんちゃんのふる里にある三州製菓のおかき)