デニム・ブルーママン11の12

 間ノ瀬(まのせ)分校の子供たちが編入して来て5年3組はにわかに活気立つかのようでした。容子はまた学級委員長になり、1学期当初からいつものようにリーダーシップを要請されるエイプリルスタイルに入るのですが、その年度に異変が起こります。自分の別の面に実は気がつき始めていたのです。山肌の奥に棲む生徒の発言…まさかそれが容子の一生を変えるとは。人の支えになり、目立たないところで尽力するやり方でしょう。派手ではないけど皆の役に立つこと。なんでそういう発想的志向へと変わりつつあったのか?と言うと田舎の子供たちの中で意外な意見を拾ったからでした。頭がいいだけじゃ駄目、心が綺麗な人が本当のリーダーだと思う…正しく、容子は水を得た魚のように、それを捉えたと推量する。現実にはお人好しで終わるのがオチと私は即、思った方です。頭の中でピリオドを打った。容子はしかし、違う受け止め方を取った。深い洞察力で呑み込んだ。まさかの精進をその後重ねて行くなど、当初は、想像がつかなかったのです。