デニム・ブルーママン9の20

 当時、私は、性急な夫の性向がうとましかったし、来年でもさ来年でも、海水浴は出来る…専業主婦になった私は節約第一で夕飯も、3種類以上の惣菜を作りません。海に行けば、気分爽快になり、太っ腹になって、結構お金を使うのは目に見えている。資産家の家に嫁いだ姉とは立場が違う。妹は私と似たような環境にあったことは言える。その妹が棲む姫路から手紙が来ても、私は億劫になり、返事も書いてなかった。だから投函もしてない状況だった。夫はコミュニケーション型で市場やデパートが大好き。私は引きこもりの孤独型でした。容子は海水浴場の桟敷に目を奪われてあんな作りの家に棲みたいとまで言う。地面から少し上がって床があることが素敵と言う。木の板の感触が気に入り、階段を昇るとき、胸がときめくらしい。隙間から砂浜が見えるのがいいって。ともかく、ある日突然、海が消える訳でもなかろう…それなのに、カメラが趣味の夫はうるさい。なんで行かないのか?って。子供たちを是非とも撮影したかったのでしょう。結婚の難儀な点ですね。