デニム・ブルー・サファイアママン6の9

 容子は何を楽しみにしているのか・・・それは全くもって弟の誕生。それは90パーセントを占めていた。そしてあとの十パーセントの中に新生活の場所がどうなっている?とか環境面でのぞくぞくで、新しい幼稚園は引っ越してすぐ観にいく予定で同じカトリック系も徒歩で行ける場所にあったことで安心します。それと階下に棲むひとたちのこともアレコレ聞いてくる。わたしは五右衛門風呂が実は楽しみだったのです。そこでは薪をくべて燃やしながら入る。アチチって鉄の湯船に触れないように入るコツ。しかしそこを容子にはまだ言わずにおこうと思う。なぜならあまりに最初に話すとぞくぞくが半減してしまうから。私が難儀に思ったのはポットン便所で汲み取り式だったことです。せっかくこのアパートで水洗の良さに馴染みその下のランクで生活はかなり気分も滅入るもののそこを言ってはおれないのです。幅も広くて容子は落ちないか?って夫は案ずる。台所はトタン屋根の下の三畳板張りに作ってもらいその先に細長い四畳のベランダも作ってもらいました。水道を二階まで引くのは大変だったようで私にも出費をと夫は頼んできましたが断ります。お金は一円も出せない・・・堅い決心していたことです。ドケチと言われても構わない。母の実家の遺産も少しあったけど私はシミッタレを通したのです。