デニム・ブルーママン11の4

 食事の時間が億劫になるほどの食欲不振なら、好きなものを与えることしかない。どんなの食べたい?って尋ねても返事はないのです。心が関与かも?と周辺を探っても、何も見つからない。西暦1966年のこの時期がきっと思春期だったのかもしれません。自分は一体何者なのか?日本という国に棲む人間の小学生。誰もが子供だと思うでしょう。しかし、侮れないのです。私は将来何を達成するのだろう?そこまで考えているなど親にも想像はつきません。気分転換に近所の集合市場に一緒に繰り出します。そこは笊(ざる)に小銭を一杯準備して、おばさん達がコロッケや野菜や肉を売る現場。食い意地があるあの子は何処に行ったの?それを取り戻すため、迷わず連れて行ったのです。東長崎中学校の前には当時、丸福家具があってその裏でした。屋根がある部分もあれば大空市場の部分もあり近隣の主婦で賑わう。肉類が苦手な容子でした。ビーフンなんかいいのでは?食が案外ススムかも?私の予想は当たっていたのです。