デニム・ブルー・サファイアママン5の7

 運動会のお昼どき、敷物を広げてさてお弁当を開こうとして兄のお土産を開けます。こういうときの兄は気配りの名手、みんなが喜びそうなものをちゃんと分かっている。爪楊枝で刺すと皮がめくれる丸い球形の羊羹です。形が可愛いのと爪楊枝が役割を担っているという所作に容子は眼を奪われ、食べるよりまずなぜなのか?で見入っています。なぜ、ツルンとめくれるのか?そこが分からない。近くに寄って人がどうしているのか?まずおそるおそる見ています。容子が商品に対して並々ならない興味を子供の頃から持っていたことは食い意地が張っていることと相乗作用で来ていました。夫も気に入ったようです。幾つでも入りそうに美味しいですね!!って。みんなの喜ぶ顔が見たかった兄。そして足早に帰っていくのです。そのときも失敬するね?って。絶対に夫が使用しない言葉を掛けられうっとりなる。悪いけどこのへんで失敬するね!!でもそれは育ちがあるのです。普段から使い慣れているスリーエス紳士しか使えない。当時まだ少なくて希少価値だったと思います。このときと、容子が中学校入る前、この2回です。うちに来てくれたのは・・・。しかし万博の年に容子は兄の家を14歳で訪問出来ている。ここは義姉のマレのお陰。かなり迷うものの姉の親切を受けたことが今はいい結果を生み出しています。