デニム・ブルー・サファイアママン☆第六章1

 私の邪推はこの頃から増していく。まるで鎧を身に付ける武士のように相手から触られることを意識し、また、さらなる防備を重ねる。まず・・・容子の性格では、呼ばれれば、はーいと走っていくタイプだ。それを私が阻止する。しかし余りに、強くそれを言えばあの子のこと・・・私を非難するに違いない。一体どうすれば?義母に全く取り合うことなく、いや取り付くシマすら見せなくすることは大人には出来ても、あの子にはたぶん難しい。私は三日後に転居になるっていうその日、容子にしっかりそこを分からせようとするものの、あの子は下に棲む全員と仲良くなろうと、その旨を明かしてくる・・・でもねえ。そう答えながら私は段々不安になるのです。もしも容子が、階下の全員と親しくなったら大変な事態が勃発する・・あろうことかまた日本全体が戦前に戻っていたからです。核家族という言葉通りに親子だけの水要らずならまだしも、義母や舅のいる家では封建家族に陥っているのが普通。ハイソサエティな家族のみの家庭でもまだ、到る処に、家長の権限や、夫の身内たちの威光が顕著で、付けいる隙がなかった。容子の性格の変化が心配だった。私ではなく、他の人たちの意見を自分の心に繰り入れてしまうのでは?それは容易に想像出来た。強靭な策がここで必須なことに覚せいするのです。